かぜ症候群
かぜ症候群とは
鼻腔から喉までの急性感染症をかぜ症候群といいます。COVID-19もかぜ症候群の1つです。厳密にはかぜ症候群ではありませんが、急性副鼻腔炎、急性咽頭炎,急性気管支炎を含める場合もあります。健常な人の大半がかかりほとんどが自然に治る病気です。
感染が成立するまで
かぜ症候群は、くしゃみや咳などで飛散する飛沫を介してウイルスなどの病原体が、気道内に入って気道粘膜に付着し、侵入と増殖することから始まるとされています。発症するかどうかは、環境の要因や感染した人の要因によって決定されます。
症状
通常のかぜ症候群の経過は、1~3日間の潜伏期間を経て、微熱、喉の痛み、体のだるさからはじまり、1~2日程度遅れて鼻水・鼻づまりといった鼻症状が強くなり、その後咳や痰が出てくる経過が典型的です。3~4日目がピークで7~10日目でよくなることが多いです。
原因微生物
かぜ症候群の原因微生物は、全体の約90%がウイルスです。ライノウイルスが30~50%と最も多く、コロナウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスが続きます。急性咽頭炎ではA群β溶血性レンサ球菌、急性気管支炎ではマイコプラズマやクラミドフィラなどが原因となることもあります。
診断
典型的なかぜ症候群の症状であれば、問診や経過から検査を行わず診断が可能です。
A群β溶血性レンサ球菌、マイコプラズマ、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、COVID-19 (SARS-CoV-2)などは抗原検査を用いた迅速診断が可能です。
治療
かぜ症候群であれば、安静、水分・栄養補給により自然に治癒するために抗菌薬を使う必要はありません。必要に応じて薬物による対症療法を行います。高齢者や基礎疾患のある方は、かぜを契機に細菌性気道感染症や肺炎を併発することがあるので、注意が必要です。