メニュー

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群 (SAS)は睡眠中に何度も呼吸が止まったり(無呼吸)、弱い呼吸(低呼吸)を繰り返す病気です。成人男性の3~7%、成人女性の2~5%にみられると報告されています。睡眠時無呼吸症候群の約90%が気道が閉塞することで起こる閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS)です。その他に、脳や心臓の病気が原因で起きる中枢性睡眠時無呼吸症候群があります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS)の病態と原因

OSASでは睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなることで無呼吸と低呼吸が起こり低酸素状態となります。主な原因として肥満があります。肥満の方は喉のまわりに脂肪がつき、舌の付け根が肥大して気道が狭くなり、睡眠中に舌根が喉の奥に落ち込んで気道をふさいでしまいます。肥満だけでなく、生まれつき顎が小さい方や扁桃肥大などで気道が狭くなることも原因となります。低酸素状態を補うために心拍数が上がるため、脳と身体は睡眠中にもかかわらず覚醒状態となり、身体に大きな負担がかかります。結果として、高血圧、糖尿病、不整脈、狭心症・心筋梗塞、心不全、脳卒中、うつ病を合併する頻度が高くなります。

症状

睡眠中にいびき、目が覚める、呼吸が止まる、呼吸が乱れる、息苦しさが見られることがあります。また日中に強い眠気、集中力の低下、疲労感が見られます。日中の眠気は作業効率の低下、居眠り運転事故や労働災害の原因にもなります。

  設問内容
Q1 座って読書をしているとき
Q2 テレビを見ているとき
Q3 人がたくさんいる場所で座って何もしていないとき(会議中や映画を見ているときなど)
Q4 1時間くらい車に乗せてもらっているとき
Q5 午後、横になって休憩しているとき
Q6 座って誰かと話しているとき
Q7 昼食後静かに座っているとき
Q8 運転中、渋滞や信号待ちで止まっているとき

24点満点のうち、11点を超えると眠気は強いと判断されます。睡眠時無呼吸症候群 (SAS)の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群 (SAS)の検査と診断の流れ

問診や身体診察で、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、当院ではまず自宅でできる簡易型睡眠モニターを行います。1時間あたりの無呼吸・低呼吸数(AHI)が5以上でSASと診断します。5未満であればSASは否定的です。AHIが5~14が軽症、15~29が中等症、30以上が重症です。入院で行う精密検査 (ポリソムノグラフィー)が必要な場合は専門施設へ紹介します。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS)の治療

CPAP療法が第一選択となります。その他マウスピース、気道開存手術などがあります。治療の目的は2つあり、①日中の眠気などの症状の改善、②高血圧、心不全、虚血性心疾患などの循環器疾患、糖尿病などの発症の予防と病状の改善です。

CPAP療法

寝ている間の無呼吸を防ぐために気道に空気を送り続けて気道を開存させておく治療です。CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻に装着したマスクから気道へと空気が送り込まれます。

マウスピース(スリープスプリント)

下顎を上顎よりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。OSASを専門としている歯科に作製していただきます。

気道開存手術

小児の多くや成人の一部で、アデノイドや扁桃肥大などが原因の場合は、摘出手術が有効な場合があります。耳鼻科へご紹介させていただきます。

日常生活上でできること

身近にできる治療はまず減量です。減量によりCPAP療法が中止できる可能性があります。寝る前のアルコールや睡眠薬を控えることで無呼吸が改善することがあります。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME